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「ヒロ、やめろ。怖がってるじゃないか」
カズヤに注意され、ヒロはぶすっとした。ヒロにとってカズヤの命令は絶対だった。ヒロの父親はカズヤの父親が社長をしている会社から仕事を請け負っていた。大人の上下関係を子供も律儀に守っていた。
「扉は開けたままにしておくから入ってこいよ」
カズヤに手招きされ、少年は恐る恐る足を踏み入れた。
「昔、兄貴がこの遊園地のお化け屋敷でバイトしてたんだ」
カズヤが明かりを天井に向けた。大きな羽のついた扇風機が設置されていて、天井までかなりの高さがあった。
「社員に内緒でスペアキーを作って、友達と忍び込んで遊んだりしてるうちに、遊園地が閉園になっちゃってさ。巡り巡って、今は僕が鍵を持ってるってわけ。ほら、こっちに来てみろよ」
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