9章

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あの世をどう表現するか迷ったがわかりやすく天国という事にしておいた。 ちなみに天城さんは鬼だけでなく霊に関しても上手に対処できる能力を持っているらしいので もし少年が成仏する事を選んでいたら彼女の元に案内しようと考えていた。 しかし少年は首を横に振った。 『んーん。ぼくね、あそこでおとうさんとおかあさんが迎えにきてくれるのをまちたい』 死んだことに気付くことなく少年は永遠にそのまま、両親が来る事を望んでいた。 生者が聞けば誰もが涙するような選択だった。 本当は『君はもう死んでいるんだ』っていうのを教えたくなったが 彼の意思を尊重して僕は少年のいう事に従った。 こうして一人、人外の話し相手が増えた。 最近鬼だけでなく幽霊に遭遇する事が多くなったが今の僕はもう非日常的な事を否定しなくなっていた。 ちなみに少年は親より先に逝ってしまったので恐らく三途の河原という場所に連れていかれるだろう。 この世に残り続けるのが最善の策だろうと僕も思った。 まだ義母には会わないが怪異は続いていた。 あの人はいったいどこにいるのだろう。
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