第3章

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いきなり深くくちづけられて、一気に体温が上がる。 割られた唇から忍び込んできた彼の舌が、口の中で暴れまわった。ざらりとした舌が口腔を蹂躙する。 「――っ」 いつの間にかシャツの中に滑り込んでいた彼の掌が、素肌をまさぐる。胸を掻かれるように爪を立てられると、そこからむずがゆいような感覚が広がっていった。 「……っ、んぅ――っあ」 いきなり唇が開放されて、知らず上がった声がまるで自分のものではないようで。 思わず手の甲で口を覆った。 「……感じます?」 「――ッア」 離された唇が、今度は胸に落とされて。固くしこってきたそこに歯を立てられる。 下肢の間に蟠ってくる熱に気がついて狼狽した。 ……それに気づいたのだろう。彼が微かに笑っ た気配に、かっと顔が熱くなる。 嫌悪を感じてもいいはずだった……同性に組み敷かれて、いいように嬲られて。 彼の指や唇が引き起こすものは、悪寒であっていいはずだった。 ――なのに、身体に満ちてくるのは、確かな熱。 自分がどうしてしまったのか分からない。どうしたらいいのか、どうしたいのかも分からなか った。 奔流に呑まれまいと、ただ目の前の身体に縋った。 ……熱い滾りに投げ込んだのは、当のその男なのに。 だから含みこまれるまで、着衣を剥がれたことにも気づかなかった。 ********** 全年齢向けではR18部分割愛 / R18シーンは完全版に掲載 ********** 大きく下肢を割られて、ゆっくりと体内を掻き回される。彼の指で拡げられ、舌で舐め回される箇所だけが、すぐに感覚の全てになった。 今までに味わったことのない、とろりと重い快感が下肢から身体を呑み込んでいく。 快楽の喫水線ぎりぎりで溺れる身体に、もう考える力はなかった。 背筋を貫く激しい悦楽に、呑みこんだ青羽の指の形が分かるほど体内が収縮した。 請われるままに、強請る言葉を口にしたような気もする。 滾るような灼熱の塊が身体を裂いたと同時に、自分の放った熱い雫が胸を濡らした。 その後のことは、よく覚えていない。 体内を抉り続けていた彼自身がいつ出て行ったのかも、力の入らない身体をいつタオルケットに包み込まれたのかも。 ――すき。 眠りに呑み込まれていく意識の中で、優しく落とされた言葉だけがいつまでも波紋を広げていた 。 >第3話 完結編 に続く
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