第7章

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「宋律寺の方ですけど、お札が半分に割られていたそうです」 遥香は電話を切ると、教授を見た。 「やっぱりか」 教授が溜め息を吐いた。 「先生、これからどうしたらいいんでしょう……」 遥香が言った。 「わからん……。結界のお札を何とかできるとしても、今、どこにいるのかもわからん」 確かに、次の被害が出ない限り、うつりがどこにいるかは分かりようもなかった。 「遥香君。あの女の子の霊はいないのか?」 教授が思い出した様に言った。 教授に言われて遥香が周りを見渡したが、本堂にはいなかった。 とりあえず、入り口の戸を開けて、境内を見てみたが、やっぱりいなかった。 「いません」 遥香が首を振った。 「そうか。もしかしたら、あの子が唯一対抗できる何かかもと思ったが……」 「そうですね……」 遥香が呟いた。 その横で黙っている季世恵と忍も、心の中ではそう思っていた。 その後は皆、無言で住職の戻りを待っていた。
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