prologue 10 p.m.

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再び伏せた視界には、抱えたリュックと腕しか見えない。 その腕時計の針はもうすぐ夜の10時になろうとしている。 先程までごった返していた空港ロビーも、やっと半分ほどの人がいなくなっていた。 大丈夫。きっとそろそろ、私たちの番が来る。 そう自分を奮い立たせながらも、同時に、先の見えない漠然とした不安が押し寄せてくる。 ――あれからもうすでに9時間が経過していた――
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