第一章 幼少

2/3
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
物心ついた頃 私の近くには気になる人がいた。 その人の事。 いまでも鮮明に覚えている。 そして、ときどき思い出しては泣かされる。 彼の存在は、私の中で日に日にふくらみつづけ、いまでは、容量不足になってる。 このお話しは私が経験した切ない恋物語。 「こら、何度いったらわかるの?」 いつも私は母親に叱られていた。 わたしは、小さな反抗期みたいで、お母さんに言われても全然言うことをきかなかった。 わざとほっぺたを膨らませて、挑発したりしていた。 「はは、相変わらずだな・・・」 私達の事を遠くで見ていた父親は、またやってるな。 そんな感じで言うと、朝食のトーストにかじりついた。 「あなたからも言ってください」 困った母親は、父親の助けを求めた。 わたしの父親、笹川あきらは、ごく平凡なサラリーマンをしていた。 「ははっ、そのうちにな」 父親は、母親の言葉を受け流すと、コーヒーをすする。 「う、うまい」 だいのコーヒー好きな父は一日の始まりはかならずモーニングコーヒーからはじまる。 「いつも気のないへんじですね」 母親の笹川ゆかりは、専業主婦。 家の事、家族の事をキチンとしてくれる几帳面な性格。 「ごめんなさい」 私の名前は笹川あやか 小学4年生 まだまだ、お子ちゃまなやんちゃざかり。 「いってくる」 朝食をさっさと済ますと父親はカバンを手に玄関先に急いだ。 「いってらっしゃい」 母親が、父親の背中に声をかける。 ドアが閉じ私のおとうさんは、お仕事にいった。 母親は、テーブルに座るとわたしに言った 「はやく食べて学校にいきなさい」 わたしは、素直に朝食を済ますと 「いっってきます」 「いってらっしゃい」 ドアを開け学校へとあるきだした。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!