奇妙な店

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 「うちの店は、神様や妖怪等、人間ではない方々を相手にしているんですよ」  内緒ですけどね、と人差し指を口許に宛がって笑う男性に、私はなんと返して良いものか迷う。  これはからかわれているのだろうか。それとも、本当のことなのだろうか?  しかし、どう見ても男性が嘘をついているようには見えない。  「…神様とか妖怪って、本当にいるんですか?」  「居ますよ。現に貴方も昨日見たでしょう?」  見たもなにも、私は変わった服を着た子供達を見ただけだ。あれが狛犬かどうかはわからない。  それをそのまま言うと、男性は笑った。  「それなら、自分の目で確かめれば良い。幸い貴方は見えるのだから、この店に居ればいつでも会えますよ」  「え?」  言葉がよく分からない。どういう意味だろうか。私は思っていることが顔に出たらしい。  彼は、にっこりと優しい笑みを浮かべた。  そして。  「貴方はさえ良ければ、この店でバイトしませんか?」  バイト代は弾みますよ。  そう言われて掲示された金額と好奇心に、私の背中はぐいぐい押された。  それから数日後。  私は、その店でバイトすることに決めた。  実を言うと、男性が格好良かったのも理由の一つだ。  こうして、私は彼と出会った。  これから先、長い人生の伴侶となる彼と。    end
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