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細い脚に制止され、茅萱は動きを止めた。前にも後ろにも動くことができなくなり、柊の中に留まる。
「柊? どうし……」
「──やめない」
「え……? でも」
「ここまで来て、やめる方が苦しい」
それはむしろ、茅萱の今の状態だった。抱かれる側の柊も自分と同じなのかどうか、茅萱には判断がつかなかった。
「無理してない?」
「してない」
「でも……」
「茅萱、しつこい」
「しつこいって……、うわっ」
柊は器用に身体を反転させ、茅萱と自身の位置を入れ替えた。茅萱が柊を見上げる形になると、柊は熱に浮かされたような目で茅萱を見つめた。
「おまえがしないというならば、私がする」
「……っ、待っ……」
茅萱の昂りに手を添え、柊は自ら腰を落とし始めた。少しずつ、彼の中へと飲み込まれていく。その生々しい画が、茅萱の理性の糸を焼き切った。
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