居酒屋まるのハロウィンナイト

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そうして下がってしまった頭を、あげさせるのもまたこの人で。 「それより、その、だな。」 「はい?」 「一枚!一枚でよいのだ!写真をだな!」 はい? 「10代のおまえの姿を、是非待受画面に!」 「・・・着替えてきますね?」 「ああっ!」 どうして長続きしないんだ、シリアスなミハイさん。 いや、ずっとあの調子でいられたら、それはそれで調子が狂うんだが。 俺は、自宅に戻って、着替えさせてもらった。 作務衣姿の俺が戻ると、それを見て明らかに落胆したミハイさんは、失礼だと思う。 「ならば、あれのクリーニングを任せてほしい。」 学生服をか。 一度袖を通したものを、吸血鬼に預ける気はこれっぽっちもない。 「すみません、俺が自分でクリーニングに出しますから、結構です。」 さらに落胆するミハイさん。 何を狙っていたのかわかりやすいぞ。
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