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瀬戸内海 高松湾沖
2310 榛名艦上
「わかりました。徹甲弾に換装後、池田湾沖に向かいます」
「気を付けてね。」
「はい!」
榛名は元気よく返事をすると、通信を切り、三式弾から徹甲弾へ換装を始めた。
三式弾とは大日本帝国海軍が主に戦艦用、巡洋艦用に開発した対空砲弾。三式弾または三式焼霰弾(しょうさんだん)とも呼ばれ、原理的には榴散弾の一種である。同じ口径の九一式徹甲弾より小さく、46cm砲用では全長160cm、重量1360kg。12.7cm三式弾では底面直径が54cmで拡散角は10度。996個の弾子を内蔵する。
これに対して徹甲弾は装甲に穴をあけるために設計された砲弾である。艦砲・戦車砲・航空機関砲等で用いられる。弾体の硬度と質量を大きくして装甲を貫くタイプと、逆に弾体を軽くして速度を高めて運動エネルギーで貫くタイプが存在する。
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瀬戸内海 同時刻
翔鶴艦上
「翔鶴、内火艇 をだしてくれ」
「えっ?」
翔鶴は驚いた。今までの提督は後方で指示するだけだったのだが、翔太は違った。自ら戦場に出てきて、また最前線の榛名のところに行こうとしているのだ。
「提督・・・なにも、提督が行かなくても・・・・」
「翔鶴、僕だけが後方で待っているだけなんて・・・・もうできないから・・・」
翔太は艦上から輸送甲板へ移動しようとした途端・・・
「提督!」
「ん?」
翔鶴に抱き着かれ固まる翔太。
「必ず帰ってきますよね?」
「必ずね」
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瀬戸内海 2320
榛名艦上
「よし、準備完了です」
榛名は35.6cm45口径連装砲4基に徹甲弾への換装が完了した。
普段は5分ぐらいでできるのだが、何週間も出撃していなかったもので換装に時間を要した。
「榛名ぁ~!」
「何か、声がしたような・・・」
榛名が左舷を見ると内火艇が接近してくる。内火艇には誰か乗っている。誰だろう?と榛名が望遠機能を使い見ると
「て、提督!」
内火艇が接舷すると榛名は桟橋を下ろした。
「よいっしょ・・・と」
榛名の艦橋にくると…泣いている榛名に会った。
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