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施設では大人数の子供を少人数の大人が世話しなければならず、子供の眠りをコントロールするための睡眠薬が常に使われた。
小さい時から睡眠を薬で管理されてきた私たちは、薬がなければ眠れない体質になった。
決められた時間になったら、睡眠薬を飲んで休息をとる。夢は見ない。
それが普通だった。
数ヶ月前、私は研究のために地球に訪れた。
元先進国が宇宙へ旅立った後も、発展途上国は地球に住み続けている。
資源が少なく、少子高齢化がどんどんと進んでいる状態なので、いつか私たちの後を辿るだろうと言われている。
私の大学院の研究テーマが地球人の睡眠についてだということで、私は特別に地球で1年の生活を許可された。
ただし、地球の国々と私の故郷の間に何か政治的問題があるようで、私が来訪者であることは内密にしておかなければならないということだった。
今は地球の大学に留学生として潜入し、周りの人間を観察しながら研究レポートを書き溜めている。
この数ヶ月地球人を観察して思うことは、薬によらない自然の睡眠というものは非合理的だということだ。
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