約束

私は彼の死を知るまで約束通り写真に話しかけていたのに。

朝はおはようと語りかけ、身に付けて、楽しいことがあれば、おかしいねと語りかけ、誰かと喧嘩をしたら、悲しいねと語りかけ、時には早く帰ってと泣き崩れ、寝る前には、おやすみと語りかけた。

まるで、あなたが私の隣にいるように語りかけていたのに、あなたは二度と帰って来ることはない。

でも、私はあなたが隣にいるように変わらずに語りかけた。

あなたは既に死んでいるのに語りかけていると、あなたがいつまでも側にいてくれるような感覚で、まるで夫婦になったかのような感覚で私の悲しみを和らげる。