トイレ

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「お前…バカだな!」 呆れる様に全裸男が緊迫した状況下の中、私に向かって言った。 その通り…コールも鍵もきっと此処にいる悪霊の仕業。 私はそれにまんまと引っかかったのだ。 「……」 何も言い返さない私を見て、全裸男は溜息をついた。 「まだ、シカトかよー!そんなんだから捕まるんだよ。教えてやろうとしたのによー」 「…?どういうこと?」 「此処にはヤバい奴が居るって、廊下で教えようとしたけど、お前ずっと話し聞いてくれなかったろ?」 「あっ!」 確かに、何か言いかけてたけど、私が怒りに任せて聞かなかった。 「それでも、教えてよ!」 完全なる逆ギレだ。 でも、こんな状況下で冷静ではいられない。 「はあー?!お前!馬鹿か!」 「何よーーー!」 「そんな言い草あるかよ!」 パニックになってたのかもしれない。 普段はこんなに声を荒げた事ないけど止まらなかった。 二人で言い争っていた時ーーー ーーバン!! 二つ目の個室から大きな音がして、二人の会話は止まる。 そうだ、こんな事してる場合じゃない。 逃げないと… 「キィィィィィ…」 誰もいなかった個室の扉がゆっくりと外に開いた。 ゴクッと生唾が喉を流れる。 ヒタヒタ…ヒタヒタ…
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