花火花

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 君との関係は、ぼくの一目惚れではじまった。  街角で花のようにたたずんでいた君の姿を見つけたぼくは、居ても立ってもいられなくなり、たまたま手に持っていたコンビニのビニール袋(カップラーメン、ゼリー、エナジードリンク)を君に向かって投げつけた。出し抜けに投げつけられたというのに、君はビニール袋を宙でわしづかみにし、そのなかからゼリーだけを抜き去ってぼくに投げ返した。あまりの出来事にぼくはビニール袋(カップラーメン、エナジードリンク)を取り損ねて落としてしまう。地面に散らばるカップラーメンとエナジードリンクを拾うことも忘れ、ゼリー片手に立ち去る君を見送った。  その日からぼくは君のこと、あとゼリーのことを忘れることができなくなった。街中を走り回って探したが、君もゼリーもどこにも見つからない。コンビニにもスーパーマーケットにも、驚くことにゼリー専門店にも、君はいないしゼリーはないのだ。  もう君もゼリーも諦め、帰宅して部屋の掃除をしていたところ、本棚の隅で空になったゼリーの容器を持った君をみつけたのだ。ようやく再会できた喜びでぼくは手に持っていた夢十夜を君に投げつけた。
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