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帰れたさ、
と思いがけず優しく言われて。
うん、
と晴明の肩に博雅が顔を埋めた。
抱きしめてくる晴明の肩越しの夕空に、
早い一番星が浮かぶ。
いつまでも主を放さない陰陽師に 、
北斗が焦れて冠を噛んだ。
「あ、
こら、
止めろ!」
晴明の腕が解かれる。
ふふ、
と笑って博雅が立ち上がった。
「俺達も、
帰ろう」
「そうだな、
帰ろう」
北斗の手綱を取って博雅が歩き出す。
晴明が横に並ぶ。
二人なんとなく微笑みあって、
都への道を辿った。
春の夕暮れであった。
了
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