第七章 儚く不確かな日々は、眩く

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「一人で町に出たくないだろ?」 「……」 伊東の言葉に芥が沈黙する。 すぐ追いかければ間に合ったかもしれないが、駒と別れてから少し時間が経ってしまっている。今から追いかけても、駒はもう山を下りている頃だろう。 「今日は気が進まないから明日俺が持って行く。それでいいだろ?」 「いいんですか……?」 「じゃないと、お前一人で行きそうだからな」 「ありがとうございます……きっと、その方がいいんでしょうね」 「ん?」 最後の方の言葉を聞き取れず、伊東が聞き返すと、芥はなんでもないですと言って首を左右に振った。
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