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王子様の腕にしがみつきながら、ゆっくり歩みを進める。
途中、途中で呪われた人形などのトラップがあるものの目を瞑ってるおかげで←(お化け屋敷の意味ない) なんとか切り抜けられそう。
「里ちゃんと密着できて嬉しいな。いつも寝る時、別々だから… 今日は嬉しい。まぁ、ベッドでも密着されたら俺が暴走しちゃいそうだけどね」
ぶほっ!!
暴走って、何の暴走ですか!王子様。
R指定ですか?
18禁とやらでしょうか…
想像するだけで鼻血が出てきそうです。
あ、だめ。本当に鼻血が…
見られるわけにはいかない!
私は、恥ずかしさのあまり王子様の腕から思わず手を離し鼻を押さえながら、咄嗟に元来た道へと引き返していた。
「あれ?里ちゃん!どこ行くの!?」
後ろで追い掛けてくる王子様。
私は無我夢中で王子様から逃げるように、さっきの入り口だと思われる扉へ入っていった。
視界が急に明るくなる。
あー、良かった。出られた!これで、鼻血を拭くことが……
って……
「あれ?何ここ」
それは、さっき入ってきた入り口ではなく誰もいない非常階段だった。
あれ?間違えた?
早く戻らなきゃ……
鞄の中から鏡とウエットテイッシュを取り出し、鼻血を吹こうと自分の顔を写した時だった。
「ひっ!!」
鏡に写ってしまったものは、この世に存在しえない得体の知れない者が私の後ろに写っていたのだ。
「おい!何が、「ひっ!」だ。化けもんを見たような声出すんじゃねぇよ!お前の顔の方がよっぽど化けもんに近いだろ」
あ、あまりにも違和感なさすぎて勘違いしちゃった。
その正体は佐渡(兄)だった。
しかも人を化けもん呼ばわりって…
まぁ、鼻血で鼻から下は血まみれですけどね
「で、何でこんなとこにいるのよ」
私は、ウエットテイッシュで鼻から下を入念に拭いながら面倒臭そうに奴に聞いた。
「いや、そっちこそ。俺は、疲れたから隅っこに座ってただけ。座ってたら突然、扉が開くもんだから 危うく俺の顔面に当たるとこだったんだけどっ」
「いや、私が聞きたいのは何で こんなとこにいるの?って事! 私は鼻血出しちゃって恥ずかしさのあまり、逃げ込んだだけで…あんたは?後あの非常識極まりない相方は?」
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