第6章 Wデートは波乱の幕開け

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王子様の魔法の言葉で何とか、行けそうな私は入り口前で受け付けの人に懐中電灯を渡された。 「それでは!彼氏さんが、懐中電灯を持って出口まで彼女さんをリードしてあげてくださいね!」 「はい。彼女を怖がらせないように頑張ります」 か、彼女って…… 王子様か私の事を彼女って……… キタ!キタ!キマシタ! 「俺は離さないけど、何が起こるか分からないから一応、腕にもしっかり掴まってて」 はい。も、もちろん王子様が そう おっしゃるのなら腕にも しっかり掴まらせていただきます! いざ、入場! ------------------ 私は甘く見ていた。 王子様に掴まっていれば大丈夫だと…思ってたけど…… 何!ここ! 桁外れに怖いんですけど! 通されたルートは各自ペアー、別々の道。 他の参加者のペアー同士が鉢合わせがないようにと作られた屋敷内は想像以上の完成度。 床にはジャリジャリとガラスの破片をイメージした物が散乱してるみたいで、歩く度その音が乾いた空気に響いて、その音にも反応して叫んでしまうほどだ。 壁は嫌な雰囲気を出すためか湿ってるみたいで触ると濡れてしまうし。 それに…… 暗すぎて懐中電灯の照らされた丸い部分しか見えなくて、2人だけしかいないはずなのに後ろから悲鳴みたいなの聞こえてくるし、さっきから風とか微妙に吹いてるし! 何なの!ここ! 私の足はもう、ガクガクして もうすでに限界なんですけど!
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