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はてさて、そうこうしているうちに夕方になってしまう
私、どのくらい寝てたんだろう
そう思っていると船長とヒカルさん。広間で2人と遭遇した
「あれ?リンちゃん。お昼はどこ行っても会わなかったけど。どっか行ってた?」
「えぇ、はい。いろいろと…」
どうしよう。山奥の研究所なんて言えないし
なんて言えば…
「まぁ俺らも忙しかったしな。会う時間もなかなかないしな」
「確かに」
2人とも少し疲れたような顔してる
そりゃそうだよね
「だが、誰が何処で何をしてるのか把握できてねぇのはなぁ。知ろうと思えば出来るが」
「そんなこと出来るですか?」
「うん、出来るよ。君も」
「えっ?私も?」
突然の発言に理解が追い付かない
そんな様子の私を見て、ヒカルさんは面白そうに少し笑う
「あれ?知らなかった?ほんの少しなんだけどね。そのイヤリングを使って念じれば出来るよ。呼び掛けることも。かなりの気力が必要なんだけどね」
えぇぇぇぇ。そんなの聞いてないよ
「俺たちの武器は微弱ながら繋がっているからなぁ」
「便利でしょ?」
「そう…ですね…」
知らなかったなぁイヤリングにそんな力があったなんて
「だが、出来るだけ単独行動は控えるようにしないとな。特にリンは」
「はい…」
「お前はどっか危なっかしいとこがあるからなぁ」
「体調も崩しやすいみたいだしね。慣れない環境にいるから仕方ないんだけど」
「…返す言葉がありません」
何回も危ない目にあって来たからね
ほぼ無傷で済んでいるのが奇跡なくらいに
「とにかく、変に首突っ込んだりしないでね。何かあったらすぐ俺らを呼んで」
「はい」
私、戦えない訳じゃないけど2人に比べたらまだまだだしね
「さて、釘を指すのはここまでにして。お前ら何か得たようだな」
船長の言葉に一瞬ヒカルさんと顔を見合わせる
「俺のは得たというより。気になることが」
「気になること?」
「うん。最近ここで噂になっていることを聞いたんだ。王子についてなんだけど。まず、王子は双子ってこと知ってる?」
私は静かに頷く
知ってるも何もさっき会ったからね
「知ってるぜ。昔此所に住んでたからな」
「私も知ってます。今いる王子は弟の方ですよね」
「リンが知ってるとは驚きだな」
「ヘルさんから聞いていたので」
実は会っていることは言わなくても大丈夫だよね
「で、その王子がどうしたんだ?」
「あっ、うん。その事なんだけどね」
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