【ルールの意味】

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肝心なのは… この私…立花久美の得票数とランキングだ。 このイベント… 1位の女性の名前のみを発表すればそれで良さそうなものなのだが… ご丁寧に、他の女性社員の順位や得票数までをも全員分、発表する。 えーっと、 私の順位は……。 『2位/立花久美・得票数1票』 「い、1票…」 庶務課で働く女性社員は、全員で八人。 今回の私の順位、2位はランキングで言うと準優勝になる訳だが… 橋本さん以外の残り七人の女性社員達の得票数は、私も含めて全員、等しく1票づつ… つまり、橋本さん以外の七人全員が2位という事であり、まさに『ドングリの背比べ』状態。 つまり、 私は2位であると同時に、最下位の8位であるのと同じようなものなのだ。 女性社員の中には『万年1票』の子も、何人かいる。 (まあ、その子達の中には、同じ庶務課かお隣りの営業部にカレシがいるので、カレシに投票してもらってるって言っていたが) そういった『万年1票』の子達は今回の結果を見た所で、 「あーハイハイ。いつも通りの結果ね」と、大して気にも留めないかもしれない。 しかし… 私は、違う…。 実は、私はこの会社に入社した年…つまり、今から四年前とその次の年の二年連続で、1位をゲットしているのだ。 ちなみに、四年前の私の得票数は、今回の橋本さんと同じ10票。 しかし… その次の年は、6票… と、その時も再び1位をゲットしたものの、年を重ねるごとに徐々にその得票数を減らしつつあった。 そして… 遂に去年は、得票数3票で1位の座から転落してしまい… 更に更に今年に至っては 遂に『ドングリの背比べ軍団』に見事入団してしまったのである。 最初から『万年1票』の子と違い、なまじ1位を二回も経験した私にとっては、 この『落ちぶれた感』は、ハンパない…。 「う~ん……」
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