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「??ッ!」
と、
後頭部を思い切り殴られた晴明が、
薫と額をしたたかにぶつけた。
額を押さえて振り向くと、
胸元をはだけたままの博雅が手に蝙蝠(かわほり)を握り締めて立っている。
その顔が紅潮しているのは怒りのせいらしい。
「……ひろ……」
「その手を放さんかっ!」
薫の腰に回していた腕を蝙蝠でまたぴしりと叩かれて。
晴明が慌てて手を振り解く。
「お前はいったい何をやってるんだ?ええ?」
晴明の背後に立っている薫に目をやる。
「なぜ俺の顔なんだ?そもそも式は抱かないんじゃなかったのか?」
氷室もかくやと思わせる冷たい声で言われて。
言い訳のできない晴明が唇を開いては閉じる。
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