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コンビニで、適当な銘柄のミネラルウォーターを3種類ほど購入する。
「そんなにいるか?」
店の外で待っていたコマが、呆れたように言った。
「いや、もしかしたら、合う合わないがあるかもと思って。」
「なんでも一緒や思うけどなぁ。」
人気のない校庭を見ながら、悠真とコマは来た道を戻る。
「コマ、小梅さんちに他の付喪神はいないのかな?」
ふと、思い出したように悠真はが言う。
「どうやったかなぁ?」
コマは首を傾げている。
付喪神たちは実際、というか、茶碗を見ても分かるように気ままに過ごしている。
お互いが干渉することはあまりない。
コマは割と社交的だと悠真は思っていたが、他所の家の付喪神にまでは興味は薄いらしい。
「行ったら分かるやろ。そもそも、櫛の付喪神がおるんとちゃうか?」
「う~ん?小梅さんが櫛を割ったの家の中なのかな?」
悠真が首を傾げる。
「櫛ゆーたら、家の中で使うもんやろ?」
「そうだけど、もし、家の中に櫛の付喪神がいるなら、じいちゃんに相談するようなこと、起こらなかったんじゃないかと思って。」
隣を歩いていたコマが、ひらめいたように悠真を見上げる。
「確かにな。本体があるんやったら、折れたかてそこにおるわ。」
「だろ?もしかしたら、探しに行くことになるかも。」
そう言うと悠真とコマは、のんびり歩いていた足を、慌てて速めた。
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