第2章 お世話になるニャ

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【療養所】 「あの時は凄いヒーリング能力だと思ったけど、他人に施術するとなると、全くダメなのね」 「すまぬ」 「でも、素質は有ると思うわ」 「そうだろうか?」 「今から伝授するわよ。目を閉じて」 〈静かに目を閉じる光の神〉 【療養所の一室】 「餡ちゃん居るかしら~?」 「(ちょうど良い所に)」 「まだ患者さんの治療中なのかしら?あ…」 〈紫色の光が女性の身体の中に入って行く〉 「ココット来てたの?って!光の天使。また人の身体に入ってるの?」 「だって、こうしないと食べられないんだもの」 「それって、早く言うと憑依よね?」 「そうとも言う」 「そうとも、って、憑依以外の何物でも無いじゃない」 「どうせ身体を手に入れるなら、美人でセクシーな方が良いなあと思って、この人にしたのよーん」 「貴女もしかして、光の神の事好きなんじゃない?」 「ちょ、ちょっと、何言ってるのよ。そんなわけ」 「そんなわけない?それにしては顔が真っ赤よ。わかりやすいわね」 「彼は神で私は天使だから」 「身分違い?恋に身分なんて関係無いと思うけどな」 「さてと、そろそろこの身体から出てあげないと」 「その子私の友達。一見セクシーなんだけどね…」 「一見て?」 「餡先生、患者さんが来てるニャ」 「今行くわ」 【診察室】 「光君。悪いんだけど、この膏薬安藤千代子さんに届けてくれない?」 「了解した」 「俺も行くニャ」 「七都の婆ちゃんの所に行くんにゃろ?どこに有るニャ?」 「村外れの茶屋だそうだ」 「茶屋かぁ、にゃんか美味いもんが有りそうにやニャ」 【村外れ】 「あそこに見えるのがそうにやにゃいか?」 「そのようだな」 「あら、光」 「俺も居るニャ。そこがお前んちの茶屋か?」 「そう。うちに用が有ったの?」 「千代子さんに膏薬を届けに参った」 【茶屋】 「お婆ちゃん、光が薬を届けてくれたよー」 「ああ、光。わざわざありがとうね」 「俺も居るニャ」 「おや、この子が猫まんまかい?」 「猫まんまじゃないニャ、猫魔ニャ」 「そうかい、そうかい」 「美味そうな匂いがするニャ」 「何だ、お腹が空いてるのかい」 「空いてるニャ」 「猫まんま、団子食べるかい?」 「食べる食べる、食べるニャ」 〈パクパクとお団子を食べる猫魔〉
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