20人が本棚に入れています
本棚に追加
/158ページ
【療養所】
「あの時は凄いヒーリング能力だと思ったけど、他人に施術するとなると、全くダメなのね」
「すまぬ」
「でも、素質は有ると思うわ」
「そうだろうか?」
「今から伝授するわよ。目を閉じて」
〈静かに目を閉じる光の神〉
【療養所の一室】
「餡ちゃん居るかしら~?」
「(ちょうど良い所に)」
「まだ患者さんの治療中なのかしら?あ…」
〈紫色の光が女性の身体の中に入って行く〉
「ココット来てたの?って!光の天使。また人の身体に入ってるの?」
「だって、こうしないと食べられないんだもの」
「それって、早く言うと憑依よね?」
「そうとも言う」
「そうとも、って、憑依以外の何物でも無いじゃない」
「どうせ身体を手に入れるなら、美人でセクシーな方が良いなあと思って、この人にしたのよーん」
「貴女もしかして、光の神の事好きなんじゃない?」
「ちょ、ちょっと、何言ってるのよ。そんなわけ」
「そんなわけない?それにしては顔が真っ赤よ。わかりやすいわね」
「彼は神で私は天使だから」
「身分違い?恋に身分なんて関係無いと思うけどな」
「さてと、そろそろこの身体から出てあげないと」
「その子私の友達。一見セクシーなんだけどね…」
「一見て?」
「餡先生、患者さんが来てるニャ」
「今行くわ」
【診察室】
「光君。悪いんだけど、この膏薬安藤千代子さんに届けてくれない?」
「了解した」
「俺も行くニャ」
「七都の婆ちゃんの所に行くんにゃろ?どこに有るニャ?」
「村外れの茶屋だそうだ」
「茶屋かぁ、にゃんか美味いもんが有りそうにやニャ」
【村外れ】
「あそこに見えるのがそうにやにゃいか?」
「そのようだな」
「あら、光」
「俺も居るニャ。そこがお前んちの茶屋か?」
「そう。うちに用が有ったの?」
「千代子さんに膏薬を届けに参った」
【茶屋】
「お婆ちゃん、光が薬を届けてくれたよー」
「ああ、光。わざわざありがとうね」
「俺も居るニャ」
「おや、この子が猫まんまかい?」
「猫まんまじゃないニャ、猫魔ニャ」
「そうかい、そうかい」
「美味そうな匂いがするニャ」
「何だ、お腹が空いてるのかい」
「空いてるニャ」
「猫まんま、団子食べるかい?」
「食べる食べる、食べるニャ」
〈パクパクとお団子を食べる猫魔〉
最初のコメントを投稿しよう!