昭和の人間

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それでも優しいところは、昔と変わりがなかった。 家の外で犬猫たちに餌付けをしていて、私に叱られては落ち込んだりしていたが、やめることはない。 そんなムネがあるとき、珍しく大声を出した。 「母さん、許して!」 私は台所で夕飯の支度をしていたが、振り返った瞬間、腰を抜かした。 ムネが、ぐったりした子猫を家の中に持ち込んだのだ。 「ムネ……。犬猫は……」 ムネが叫ぶ。 「ほっといたら死んじゃうから!」 その声でヨシとカズが駆けてきて子猫の冷えた体をタオルケットで温め、近くのホームセンターで猫用のミルクや餌を買ってきて、近くに用意する。 しかし、子猫はぐったりしたままだ。 「母さん、どうしよう……」
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