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大好きだったの。
ずっと大好きだったから、キムラ君に少しでも可愛いと思ってもらえるように、ツケマしたり、髪も綺麗にブローしたりしてたの。
だけど……フラれちゃった……ぐすん。
友達のユミがたくさん慰めてくれて、
「マナミ、いっそのこと髪型変えて気分転換してみたら?」
って、ユミが行きつけのカリスマ美容師さんがいるサロンに予約してくれたの。
ユミの気持ちが嬉しくて、ゆるふわコーデで可愛く決めて、表参道のみんなが憧れて覗きこむそのサロンに向かった。
そこで私は自分の大好きな少女マンガを持って、
「この、主人公の彼女みたいにしてください!」
って、お願いしてみたの。
こんな泣き虫さんの私じゃなくて、新しい私とは笑顔で会いたい。
だから、カットが終わるまで目を閉じて待ってみたの。
一時間後、少しチャラいけどカッコいい美容師さんがカットの終了を告げた。
「お疲れ様っデェ~ッス☆ 目、開けちゃって~ちゃってくだサァ~イ☆」
コンニチハ、新しい私。
ドキドキしながら
目を開けると……そこには……
「……なんじゃこりゃぁぁぁぁあ!!!!!」
鏡の中にゴリゴリのスポーツ刈りになった私が居た。
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