手違いと浪漫

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 目を開けると、そこには赤い服を着た変質者がいた。 「…いや、変質者ではないから」  この変質者、心を読むのか? まさか、サトリの妖怪変質者? 「…だから、変質者じゃないから。妖怪でもないし、ましてや妖怪変質者でもないから」  自覚が無い変質者に限ってそう言うんだよな。取り敢えず、殴って無力化してから警察を…。 「…うん。君はさっきから心の声を口に出しているからね」  …なん…だ…と…! 「…まあ、うん、なんかいいや。取り敢えず自己紹介しておくと、儂はサンタクロースだから。手違いがあって君にプレゼント持って来ることになってね。で、もう帰るところだから」 「…チェンジ」 「…そこは口にハッキリ出すのか…って、何でいきなりチェンジ発言!?」  どうせなら、白髪白髭の変質者クロースより、若い女の人にプレゼント貰いたい。マルグリットさんとかカトリーヌさんとかジャンヌさんとか…。 「君ねえ…非日常的な出来事に動じないのはスゴいと思うけどさあ…。で、マルグリットさんとかは、クリスマスあんま関係ないでしょ?」  …心持ちの問題です。出来ればサンタガールの格好希望。ミニスカサンタでも可。 「…その2つの選択肢にどれ程の違いがあるかは、解らないんだが?」  …男の浪漫。 「……取り敢えず、儂、次の場所に行かなくちゃなんで。お邪魔したね。まだ夜遅いからお休みなさい」  お休みなさい。 「………眠るの速!!」
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