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月に一回か、なるべく週に一回…土日だけオレは実家に帰る。
特に親に用はない。
オレが気にしているのは、愛猫『ハヤタ』の事。
オレより一つ年上の、兄貴面した小生意気な白黒ハチワレにゃんこ。
こんなにも長く猫を飼っていると言うのに、オレってやつはコイツの気持ちなんててんで理解しようとしていなかったなんて…。
あれからオレは、大学の講義と部活の合間に『凪子先輩のスパルタ猫の気持ち集中講座』を受けかなり猫の行動や表現について学んだ。
そりゃもう、すさまじかった。
きつかった。
けど、おかげでお前がなんでオレにあんな事やこんな事をしたのかよ~くわかった!
「…それを踏まえて、オレの話を聞いてほしい」
午前3時。
オレは目の前すれすれに迫った、それを凝視する。
「お、お前ら猫がそんな風にさらけ出すのは、よほど信用した相手か家族とか敬愛とかそういうのを表すんだってな…。 つまり、お前はオレの事そのくらい好きでそれに応えてほしいと思ってる…そうだな?」
こちらに、尻を向けたハヤタはふりっとカギしっぽをふる。
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