第1章 中学時代

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卒業式と謝恩会を終え、家に着く頃には夕方になっていた。 リビングのソファーに座り、窓から差し込むオレンジ色の光に照らされながら、 貰ったばかりの卒業アルバムを丁寧に開いていった。 中学時代の思い出が次々に蘇ってくる。 しかし、そこに僕はいなかった。 悲しいくらいに、自分が写っている写真が載っていなかった。 数少ないながらも友達はいたし、学校の行事には余すことなく出席していたのにも関わらずだ。 本当に自分の卒業アルバムなのだろうかと疑いたくなる。 自分探しは難航を極めた。 一時間にわたる捜索の結果、辛うじて一カ所だけ僕を見つけることが出来た。
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