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彼の好みは、年下のキレイ系だ。 初めて出会った時、俺は二十歳、彼は二十二歳だった。 そっちの人間が集まるバーで、声をかけられた。 彼の名前は阿川匠。 新卒のサラリーマンだった。 「今夜、どう?」 グラスを持つ指を、彼の長い指で撫でられた。 「……いいけど。」 そしてホテルの部屋へ向かう。 やるだけやると、彼は興味なさそうにタバコを吸い始めた。 「この後どうする?俺、帰るけど。」 一本吸うと、さっさと服を着始める。 その後ろ姿を見ながら、これは恋の始まりなんかではなく、ただの体の付き合い、欲の発散だけなんだと悟った。
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