僕の猫が猫じゃない。

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「にゃっ、にゃあああああああああ?!」 恵太の寝室のど真ん中で、スルメを散らかしながらへたりこんでいたのは今日の恵太の夢に出てきたのと全く同じ______真っ白な猫耳をはやした女の子だった。 まんまるなエメラルドグリーンの瞳をぱちくりとさせ、焦ったように手としっぽをぶんぶん振り回している。 「にゃ、にゃあああ、、にゃうぅ…」 少女は物珍しそうに頭を撫で回されて恥ずかしくなったのか首をすくめ目を伏せた。 ついに恵太の手がしっぽのあたりまで侵食してきたころ__ 「にゃめれっ」 ぺしん、としっぽで恵太の手を振り払う。 「おー、もしかして人語話せたり?」 「にゃにゃにゃにゃじろーにゃよっ!!」 一生懸命話そうとする少女に理性を失いかけた恵太だったが頑張って冷静を装った笑顔で口を開いた。
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