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心臓のど真ん中を撃ち抜かれたような感覚を覚えて、動けなくなった。
「こ、今夜は…瀬川さんと一緒にいたい…」
彼女はそっと手を握った。
その手は震えていた。
「……」
本能を刺激され、必死に保ってきた理性がぐらりと揺れているのを感じた。
「…それ、意味わかって言ってるの?」
耳の付け根まで真っ赤な彼女。
こくんと頷く。
「もし途中で帰りたいって言われても帰さないよ、俺。
わかってる?」
互いに視線は逸らさず、見つめ合う。
彼女は俺に応えるようにぎゅっと握り締める手に力を込める。
これに耐えられるわけがなかった。
小さな手を握り返し、強引に引くとそのままマンションへ向かった。
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