刺客と船出と闘争と

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   スパッ。   ドッコーン! 「お、結構良い音じゃねーか。 だがよぉ、もちっと華がほしーなぁ」 「真後ろから当てるだけじゃ芸がないな。 次発、行ってみよう」 「はーい、矢の準備いいよー!」  シュパッ!  バガゴーン! ザパーン! 「当たり所でえれぇ音が変わんだなぁ」 「すごいよハーディスくん、矢が貫通して海まで飛んでっちゃった」 「ふーむ、舷側装甲は思ったより厚くないな。 よし、次」 「はーい!」  スパーン!  ドガシャーン! ボン! 「今度は真上から串刺しかよ。 えげつねぇ感じになって来たなぁ」 「色々飛び散ってたけど大丈夫なのかな」 「ボロだがあれでも戦艦だぞ、そう簡単に沈む訳がない」 「ならもう一丁いっとこうや」 「諸君らは野蛮ですね。 次は何処へ当てるんでしょうか」  ナコルの千里眼を共有し、ゲッチンゲン号の串刺しに興じる俺達二名と二匹。  二隻の距離はジリジリ縮まっているが、直接乗り込んでやり合うにはまだ早い。  ならばその至近に迫るまで、こちらの力と優位を徹底的に思い知らせてやるべきだ。  --とは建前で、ドッカンガラガラやっているのが楽しい、が本音。  見ろ、ナコルとアリシアはイケイケだし、ビチビチも少しずつノッて来たぞ。  シュパーン!  六本目の矢が打ち上がる。 もう手慣れたものだ。  
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