5人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
街の声。
街は今日もきっとささやいてる。
「街の声。」
コンビニの灯りを見つめて
街の息継ぎを見ているような錯覚を
そっと胸に抱きしめている
ささやき声を聞く人はいません
そんなものはないって言ったから
もう聞こえないのです
もう聞こえないのです
妖精がいないって誰かが言うたびに
妖精がひとり死んじゃうんです
だからわたしは だからわたしは
きっと街の声を殺してしまった
わたしが殺してしまった
声は届かないと意味がないのです
空気の震え 一次元的な震え
それをわたしが それをわたしが
きっと殺してしまったのです
24時間営業のコンビニが
灯りを消すことが出来ないように
わたしが目を開いてるあいだ
街はかたかたと動いている
誰かが動いている
誰かが動いているあいだに
街はささやけない 街はささやけない
街はもう歌えない 街はもう歌えない
街はもうずっと 街はもうずっと
息継ぎばかりして 息継ぎばかりして
永遠に歌い出せない
だから街の声は死んでしまった
だからわたしの街の声は死んでしまった
最初のコメントを投稿しよう!