本編

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子供っぽい態度に子供っぽい返しをすれば、それはもう立派な子供同士の喧嘩である。 例え、大の大人2人であったとしても。 「俺のミナだ、返せ!」 洋介が叫ぶ。そして殴る。 「ふざけんな、ミナは自分から俺のところに来たんだ」 殴られた學は頬を押さえながら、私を抱き締める。 その姿に余計に逆上する洋介。 だけど、學の腕の中に私がいるから、思うように手を出せないみたい。 とても悲しい瞳で私を見てくる。 ……馬鹿らしい。 はーあ、もうあんた達の玩具になるのは懲り懲りよ。 私はそう思い、一声鳴いた。 「みゃー」 そして、2人から背を向けて、私はその場を立ち去った。 長い尻尾をゆらゆらさせて。
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