平安異譚 もののけ大戦 第一話

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 時は平安。  京に都があった頃の物語。 鬼退治や もののけ退治を 繰り返しては 手柄をたてていた 検非緯使の侍大将   源 雷禅(みなもとのらいぜん)。。。。猛禽類を思わせる眼光の鋭さに 鷲鼻 その下にはトレードマークである 八の字髭を蓄えて 貫禄のある侍です。 今では 検非緯使の長に 任じられて。 都の警備を一手に引き受けています。 手下には 若き日の雷禅と出会い 幾度も死線を共にしてきた 弓月 三良義家(ゆみづきさぶろうよしいえ) 彼もまた端正な顔立ちに鋭い目を した青年 かつては 狩人をしていて 俊敏な動きをする細身の男前 都では かなり 女性をとりこにしているみたいだが。。。。。。 いかんせん 禁欲的で女性も寄せ付けない暇さえあれば 矢の修行をいまだに 怠らない 精神の持ち主ゆえ。雷禅も 彼に嫁を持たせようとしては  幾度も断られていますね。 彼は 弓の名人で。飛ぶ鳥を一辺に三羽落とすこともできる腕前に 雷禅大将を何度も助けたことがあり 信頼されていて。今は 雷禅の片腕 侍大将を勤めています。 さて もう一人 忘れてはいけない 雷禅の片腕 力士のような体躯 童顔がいつまでも少年らしさを抜けない 力王 源太 忠延(りきおうげんたただのぶ) です。彼は 少年の頃 雷禅の仲間になり その頃は 結構無鉄砲な やんちゃ坊主。。力童丸と名乗り こちらもまた ものすごい怪力の持ち主で  白銀の鎚 白夜を武器に。。。。 弓月同様 雷禅と共に 幾度も もののけや鬼退治 はたまた   都の盗賊退治を行って来ていて やはり 雷禅に全幅の信頼うけております。 彼も現在 十九歳にして やはり侍大将を任じられていて 日夜 頑張っております。 都の大路にある 検非緯使の長の邸宅内 急に 騒がしくなってきました。。 「これ待ちなさい!陽禅!!!」 と、美しき声が響いて  奥から現れたのは 源 雷禅の奥方 美鈴御前 かつては 雷禅の仲間と同様に 鬼と小太刀で渡りあったお転婆姫も  かなり落ち着いた様子で    一人息子 陽禅のいたずらを しかりつける  お母様に。。。 といっても 美しさは変わらず というよりも さらに 妖艶さも増したようです。 美鈴御前に追いかけられていたのは。。。。 源 陽禅 今十歳
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