0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
イエローナイフに到着して二日目の夜、寿司ノースという何とも言えないネーミングの寿司屋さんで私は淡泊であっさりとした食感の北極イワナの握り寿司を食べていた。
北極イワナがどういうものかは知らなかったがマグロのような厚い切り身になって握り飯の上に乗ってる姿を見ると大きめの魚なのかもしれない。
店の人に聞くと氷に穴を開けてワカサギ釣りの様に釣るという事だった。
なかなか大きさの掴めない魚だと思った。
そんな時の事だった。
「あ、飛行機の時の」来客に気が付いて私は声をあげた。
つい先日、イエローナイフの空港ロビーの待ち時間に少しだけ雑談し、別れ際に「Have a good journey!」と言ってくれたカナダ人の男が店の入り口に立っていた。
名前を思い出そうとしたけど、そう言えば自己紹介はしなかったことを思い出した。
「やあ、昨日の空港の時の! オーロラはちゃんと見れたかい?」
「ええ。昨日の夜は凄かったんですよ、レヴェルファイブのオーロラだったんです」答えて私は撮ってきた写真を彼に見せた。
慣れない英語だけで昨夜の光景を言えた切れる自信がなかったからだ。
最初のコメントを投稿しよう!