9657人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
別に、結婚を意識していたわけじゃない。
いつかはするんだろうなって思っていた程度で、具体的な話なんてしたことはなかったし、ましてや指輪を強請ったこともなかった。
だけど。
「おめでとーっ!!」
「お幸せにー!!」
晴天の下、フラワーシャワーが降り注ぐ。
赤やピンク、白の花びらがふわりと吹いた風で舞い上がり、空の青とのコントラストが美しく目に焼き付いた。
世界のすべてが二人を祝福しているように見える。
まさか、こんな構図で、立ち位置で
つい三か月前まで付き合っていた男を見ることになるなんて、思ってもいなかった。
最初のコメントを投稿しよう!