僕の大好きなナナへ

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僕のご主人様は、とても優しい人だ。 迷子だった僕を拾って育ててくれたんだ。 大きな窓から差し込む光が当たるソファはとても温かくて気持ちいいのだが、いつもそこにはご主人様が座って本を読む場所。 僕はいつも御主人様の膝の上に乗り丸まってまどろむのが好きだった。 僕の優しいご主人様は何も言わずにただ僕の頭を撫でてくれた。 僕はご主人様が大好きだ。 いつも優しくしてくれる。 僕を大切にしてくれる。 僕とご主人様だけの暮らしだった。 でもある日、ご主人様がとても可愛らしい女性を連れて来た。 僕は、ジッとその女性を見つめていた。 女性は、笑顔で僕の事を見て一言言った。 「これからよろしくね」と。 僕も女性をチロッと見ると一言「ニャー」と答えてからまたまどろんだ。 そんな僕を見てご主人様は、「ゴエモンも喜んでいるみたいだね」という。 僕はそんなに喜んでいないのにご主人様は勝手なことを言う。 それからは僕と、ご主人様と美優さんとの暮らしが始まる。 ご主人様はいつも美優さんを見て微笑んでいる。 僕はそんな、ご主人様と美優さんを見ているとやきもちを焼きたくなってくる。
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