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教授はそんな趣味に似合わず明るい人で、面白い見解をするから益々その研究室に入り浸るようになった。
俺がこんなものが見えるといっても厭な顔するどころか大喜びしよく話を聞いてくれた。
それでも苦悩のほうが多くある時に目が見えなくなればいいのになんて愚痴を云ってしまったとき、
先生は
「幽霊なんて放っておきなさい。彼らは哀れな存在なんだよ」と、解いてくれた。
「あの世に行く事も出来ず、無駄に彷徨っているだけなんて可哀相だろう?」
「…そういうものですか?」
「そうでしょうよ?
死んで、あの世に行って、裁判を受けて刑期をまっとうすればまた生まれ変わるチャンスが巡ってくるのに、そのチャンスをぐだぐだ足踏みしているだけなんて哀れじゃないか。」
そんなものは刑務所に入って裁判も受けられず刑も執行されない、ただ無駄に生かされて拘束されているのと同じだ。
と。
、
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