その時、嵐の後の海は…

6/6
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
その島が近付くにつれて、砂浜が見えてきた。   「ほっほー、こいつはいい。ちょっとしたバカンスだねー」   すると突然、波の顔は、向きをずらせ始めた。   「おいおい、どこへ運ぶ気なんだ? そのままでいいんだよー!」   やがて、ガモーの視界に入ったのは、白い波が打ち寄せる絶壁の付くの海面を、ゆうゆうと泳ぎ回っている黒い物だった。   「ん? あれは何だ……?」   さらに近付くと、ガモーの顔は真っ青になった。   「あっ、あれは――!」   ガモーにそっくりの巨大な波の顔は、彼が載っている板を、その群れの付近に放り込んだ。   「うわ――! やめろ――!!」   それは、十数頭の人食い鮫の群れだった。   鮫たちは、海中に落ちこんだ山口の臭いをかぎつけて、一斉に襲ってきた。 その内の2頭の鮫は、どことなくロントとジミーに似ていて、メガネもしているように見えた。   「うわー! ロントとジミー、許してくれ――!!」  
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!