二度目の夏

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無意識に笑いが鼻から漏れた。 何の根拠もない凛子の言葉に呆れていた。 昔から凛子には、みんなの気を引こうと、物事を大袈裟に言うところがあった。 俺たち家族はよく凛子の言葉に振り回されたが、 その癖は大人になってもなおっていないらしい。 ああ、『大人』と言うには、語弊があるか。 俺は靴ベラを元に戻して、ドアの方へ身体を向けた。 「待ってよ!」 凛子が叫ぶ。 「お兄ちゃん、戻ってきてよ。サト兄にはお兄ちゃんが必要だよ! 私だって……」 俺はもう一度ため息をついてその言葉を聞き流した。 「また来るよ」 「またっていつなの!?」   次があるのかどうかもわからない。 俺は半分だけ振り返ったものの、返事をしないままドア開けた。
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