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「うん、言ってたね」
そのせいで私まで緊張してしまう。
少しわざとらしい口調になってしまったと思ったけど仕方がない。
落ち着かない指先が缶ビールの水滴を意味もなく撫でた。
私は期待の反面、菜々美が厄介なことに巻き込まれていないか心配で、その先を聞くのが少しだけ怖かった。
けれど、次に見せた菜々美のはにかむ笑顔で私の中では期待の方だけが膨らんだ。
「同じサロンの……先輩なの」
「へえ……年上?」
「うん、三つ年上」
「ふーん、じゃあ私よりも年上だ」
「まあね」
「付き合ってどれくらい経つの?」
「うーん、ちゃんと付き合うようになってから一年……半かな」
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