第1章 出会いはミルクチョコレート

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第1章 出会いはミルクチョコレート

「今日のランチご馳走しますから、お願いします!」 出勤早々、私の前で 同じ部署の後輩が、神頼みのようにパチンと手を合わせる。 「ええぇ? でも、みんな安奈(アンナ)ちゃんと同年代なんでしょ?  私なんかじゃなくて、同期の子を誘えばいいじゃない」 こう私が渋っているのは、合コンのお誘い。 もちろん、ドタキャンされた一人の人数合わせだということは、重々承知。 でも、何より27にもなって合コンというのも気が引けるし、 第一、四つも年下の後輩たちの中に入るのは、 ちょっと避けたいというのも、本音。 しかし、 「同期は全滅だったんです。 それに、夏海(ナツミ)さん若く見えますから、全然、大丈夫ですよ」 なんか、褒められてるんだか、持ち上げられてるだけなんだか。 そんな複雑な思いが、やっぱり私の返事を重くする。
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