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「来年の夏、二人でどこかに旅行しようって計画してるんだ。できたら海外にでも。遊びに行くのに親に金出してくれとはいえないし、バイト代だけじゃ足りないかもしれないしね」
タケルがチーズを口に放り込んだ。
「へー、どこいくの」
「まだわからない。テロの心配もあるし、費用との相談にもなるから、その時次第かな。まあ、一緒に行けたらどこでもいいと思ってる。なっ」
直哉を見ると、嬉しそうにうなずいた。マコトが後ろにのけぞって、いやらしい顔をした。
「エロいなあ。一緒にイケたらどこでもいいだって。まあ、どこの国行っても、やることは決まってるけどなっ」
タケルがメガネを押し上げて俺たち二人を見る。
「おまえら、もうそんな関係になっちゃってるのか。直哉なんて特にウブっぽくて想像できん!」
マコトが肘でタケルをつついた。
「あたりまえだろ。ウブに見えるとかそんなの関係ないんだよ。健康な青年二人が愛し合ってるんだ。何もない方がおかしいだろ」
やばい。この二人を放っておいたら、話がどんどん変な方へいってしまう。俺は手を折り曲げて横にふった。
「いや、ちょっと待てよ。俺たち、そんなにたいしたことはしてないから」
すると、タケルがメガネの奥で目を光らせる。
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