俺から『僕』に

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僕は、福岡市中央区天神の料亭に生まれ、親の稼業を愛し、板前になる道を選んだ。 優しい両親、ちょっとすっとぼけた性格の妹と祖父母と平凡だけど平和な人生を歩んで来たつもりだった。 地元の高校に通いながら、料理の修行を積み、高校卒業を期に本格的に板前の修業に励んで25歳で、一人前の板前になり料理長である父と肩を並べられるまでになった。 最初は洗い場(皿洗い等の雑用)から始め、高校卒業までに魚の下処理位まではさせて貰える様になり、親戚の割烹料亭に勤める傍ら調理学校を出て、揚げ物(天ぷらなど)、焼き方(焼き魚など)、煮方(煮物)、向板(刺身全般)を極めた。
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