64人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
□□□□□□□
一筋の光が、理子の瞼に優しくあたる。
伝い落ちる涙は、優しい真子の心を知ったから。
真子を鬼に落としたのは、私自身。
私自身が、鬼へと堕ちたから……。
理子はゆっくりと伸びをして、息を吸い、窓を開けた。
朝の清らかな風が、理子の髪を優しく撫でる。
窓に映った自分の顔が、一瞬微笑んだ。
真子が居ないのは、寂しい。
まだ当分慣れないと思う。
でも、真子は私のそばに、私の中に。
ずっと生きている。
「……ありがとう。真子」
最初のコメントを投稿しよう!