傾国の女の最期

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何とか可愛いペットの感情を刺激しようと、魔王は幼い少女を人間界へと連れて行った。 少女を拾った場所まで来た時、たまたま出くわした人間の男が騒ぎ立てたため、魔王はその男を殺した。 男が胸から血を吹き出し倒れていく。 その光景を見て、魔王の腕に抱かれた幼子はキャッキャッと声を立てて笑った。 それから魔王は少女を喜ばせたい、ただそれだけの理由で人間の村を襲い、残虐非道の限りを尽くしたらしい。 「元はといえば、お前達人間のせいだろう。自業自得だ!」 高笑いする側近の首がいきなり刎(は)ね飛んだ。 戦士が斧で切りつけたのだ。 困惑する仲間達に戦士が声を張り上げる。 「こんな話に惑わされるな! 俺達の目的は何だ? 魔王と傾国の女を倒すことだろう」 戦士の言葉に勇者達は互いに見つめ合う。 戦士の言うことは最もであるが、傾国の女が年端もいかぬ元生贄の少女ということにみんな割り切れないものを感じているらしい。
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