4人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
「キャアアアア!!」
小さなスタジオに、甲高い悲鳴が響き渡る。
「あいカット!」
続いて、男性の野太い声。
「トウヤさん、どうですか?」
悲鳴の主である女性、カオリが録音ブースの中から外にいる男性に問う。
「うーん、ミユカちゃんのイメージはさあ、もう少し可愛い感じなんだよねえ。リテイクお願いできるかな?」
トウヤと呼ばれた中年の男は、突き出た腹をさすりながら、そう返した。
「あ、はーい。じゃあリテイクいきまーす。」
可愛い悲鳴ってなんだよこのクソデブ、と言いたくなるのをこらえ、カオリはマイクに向き直る。
最初のコメントを投稿しよう!