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おとうさんは、ちらばったおかあさんのカケラをかき集めると、こんどはふくろに入れないままで一つず、ぼくの口の中におしこみはじめた。
そんなにたくさんの物がぼくの口に入るわけはないのに、おとうさんはもうそんなことも分からないみたいで
「食べるんだ、食べるんだ」
と、くり返しつぶやいていた。
うんうんうんうんうなるぼくの声にまぎれて物音がしたような気がした。
がちゃがちゃ
ドアのカギをあけるような音だ。
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