第一話 健人の悲鳴

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第一話 健人の悲鳴

俺はパチンコ屋の息子。 健人は薬局屋の息子。 雪は、看護師の娘だった。 いつも、三人一緒だった。 保育園からの帰り、そして学校に上がってからは放課後、家の裏に出来た大きな水溜まりのある空き地で過ごした。 最初に帰るのは決まって、健人。 次は、雪。 俺はいつも、最後だった。 「ひなこちゃん、あんま遅くまで遊んでたら危ないよ」 「だって、お家つまんないんだもん」 小学校中学年の頃、近所の散髪屋の娘が保育園帰りの空き地デビューしてから、牛乳屋の娘、花屋の娘とよく空き地で遊ぶ様になった。 でも、牛乳屋と花屋の娘は、6時前に帰るのに、散髪屋の娘は店が閉まる8時ごろまで遊んでいた。 ちなみに、俺のパチンコ屋は11時閉店。 でも、遅くても8時頃には家に帰った。 その頃に飯を食いに一度、親父が家に帰って来るし、店を閉めたひなこの親が彼女を探しにやって来るから、そしたら安心して家に帰れた。
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